アルゼンチンの急進的な無政府資本主義者であるハビエル・ミレイ大統領は、実は至って常識的な人物であることが明らかになるかもしれない。それは投資家にとって良いニュースでもあり悪いニュースでもある。アルゼンチンの新政権は12日、ミレイ氏の就任後初となる経済対策を発表した。ルイス・カプト経済相は、通貨ペソの対ドル公式レートを約50%切り下げることに加え、エネルギー分野や交通機関に対する補助金縮小・公共事業の中止・地方への移転削減を通じて公共支出を大幅に圧縮する方針を示した。市場経済派のマウリシオ・マクリ前大統領の下で経済当局のトップを務めたカプト氏に期待されているのは、まさにこうした政策だ。だが、テレビや動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」でミレイ氏を人気者にした、より急進的で自由主義的な施策とは一線を画すものでもある。ミレイ氏は中央銀行を「焼き払い」、ドルを国家通貨として採用することを公約に掲げていた。
中銀廃止からショック療法に転じたアルゼンチン
投資家にとって急進的な政策からの転換は好材料だが代替案は魅力不足
有料会員限定
あなたにおすすめ