サードウェーブコーヒーの台頭で日本でもおなじみになった、高品質な豆の味を楽しむスペシャルティコーヒー。そのサブスクリプションサービス「PostCoffee(ポストコーヒー)」が2月6日、正式版サービスを開始した。あわせて東京・目黒に焙煎所を併設する実店舗も開設する。デジタルならではのデータを駆使した定期購入サービスとリアル店舗開設の狙いについて、サービスを運営するPOST COFFEE創業者の下村領氏に聞いた。(ライター ムコハタワカコ)
ウェブ診断で好みのコーヒーが届くサブスクサービス
産地、栽培方法を吟味した高品質なコーヒー豆を使い、焙煎方法や淹れ方などにもこだわった「スペシャルティコーヒー」。そのスペシャルティコーヒーのサブスクリプションサービス「PostCoffee」を運営するスタートアップ・POST COFFEEは、創業者でCEOの下村領氏、CCO(Chief Creative Officer)の下村祐太朗氏が2018年9月、兄弟で起業した会社だ。2人はもともとデザイナー、エンジニアとして働いていた。だがコーヒー好きが高じ、本業と並行してバリスタとしてコーヒーショップを3年間経営していた。
PostCoffeeは2019年3月にベータ版のサービスを開始した。当初は、ユーザーがコーヒー豆を買い、その豆がなくなりそうになったらアプリから注文するという、オンデマンドECのサービスだった。ベータ版として11カ月間サービスを運営する中で、ユーザーインタビューを通じての定性的なデータ、購買行動という定量的なデータをためていく中で、データを活用した「コーヒー診断」機能を開発。2月6日より正式版としてサービスを開始した。なおベータ版のサービスはスマートフォンアプリで提供してきたが、正式版はウェブサービスのみで提供する。
代表の下村領氏(以下、下村氏)によれば、コーヒー診断は「味の好みというよりは、ライフスタイルについて聞いている」という。診断結果では「ユーザーに最も合うコーヒー」ではなく、「ユーザーに最も合うコーヒーライフ」を提案すると説明する。
具体的には、ユーザーごとに10項目のランダムな質問を表示する。コーヒーに関する質問だけでなく、お酒の飲み方・種類や趣味、旅行先の好みを選んでいくと、ユーザーにおすすめのコーヒー豆の種類と淹れ方、一度に届ける量や頻度、価格をパーソナライズして提案する。