あとは、嘘にならないように自分が納得できる発信も意識しています。自分の知名度が上がったとしても、自由は失いたくないと思っています。

徳力 それは、本当に難しいですよね。今後、上田監督がそのバランスをどのようにとるのか興味があります。だから、「#イソップ賛否の否」をしたことはすごいことだと、つくづく思います。

『カメラを止めるな!』上田監督の信念「反対意見を言う人は敵じゃない」上田氏(左)と徳力氏(右) 提供:Agenda note

上田 もちろん映画の賛否を問うこと自体に賛否がありました。クリエイターは「賛」だけを目指すべきだから、「否」を求めることは自信がないことの表れなんじゃないか、という意見もありました。

徳力 上田監督の監督人生は長く続くけれど、配給会社はこの瞬間にこの映画を最大限売らないといけないという十字架は背負ってますもんね。だから極端な話、おおげさな嘘をついてでも話題にしないといけない、と考えがちな傾向はあると思います。

 でも上田監督は、フラットに意見をもらうことは無視されるよりも意味はあるし、少なくとも次への糧になるという視点なんだと感じました。

>>3月5日(木)公開予定の後編に続きます。