回復のもたつきを指摘する声
しかし日銀短観は回復継続を示唆
政府の景気判断が11月に下方修正され、景気回復のもたつきを指摘する向きも増えてきた。しかし、12月調査の日銀短観では、景気回復の動きに変わりがないことが示された。企業の景況感を示す業況判断DIをみると、規模別では大企業、中小企業がともに上昇し、業種別でも製造業、非製造業が揃って上昇し、景況感の全般的な改善が確認されている。
大企業・製造業の業況判断DIは3ポイント上昇のプラス12と、6月調査以降、3期連続の改善となった。非製造業も同じく3ポイント上昇のプラス30となり、こちらは1991年11月調査以来の高水準を記録した。
製造業では自動車の景況感の改善が大きく、非鉄金属や金属製品、はん用機械などのDIも大幅に上昇している。一方、非製造業では対個人サービスや宿泊・飲食サービス、小売、運輸・郵便などの景況感が改善している。
大企業に比べ相対的に改善ペースが緩やかだった中小企業・製造業の業況判断DIは 6ポイント上昇と、大企業の上昇幅を上回る改善となった。水準もプラス1となり、4年9カ月ぶりのプラス圏となっている。また、中小企業・非製造業は2ポイント改善し、プラス14となった。