日本人が苦手な「丁寧な英語」。ネイティブを不愉快にさせない助動詞の使い方とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
英語でお願いするとき、wouldやcouldをどう使ったらいいのか?また、なぜ過去形なのかと疑問に思った経験はありませんか?長年日本で英語塾を開くデイビッド・セインさんによると、これらの助動詞を、私たちは学校では「ほんの一部」しか教わらないと言います。セインさんの著作『ネイティブ流シンプル英語 日常・旅先・メール・SNS 英語 ネイティブが使うのはたった9助動詞!』(秀和システム刊)から、ネイティブが使う、助動詞の意味・使い方の一部を紹介します。
「9つの助動詞」で表現力がレベルアップ!
ネイティブは、助動詞を本当によく使います。「ニュアンス」「状況」「気持ち」を伝えるために不可欠だからです。
たとえば、
I like coffee. だと、「私はコーヒーが好きです」という意味になります。
一方、wouldを加えて
I’d like coffee.
とすると、「コーヒーをお願いします」という意味に(I’dはI would の短縮形)。
なぜwouldが加わると、こういう意味になるのでしょう?
「wouldって、will の過去形じゃなかったっけ?」
と不思議に思う人も多いでしょう。たしかに、日本の学校では「would はwill の過去形」と習いましたね。それは間違いではありません。
ただ、実際にネイティブが使っているのは、もっと幅広い意味・使い方なのです。
学校で習ったのは、「ほんの一部」
残念ながら、私たちが学校で教わったのは、助動詞の意味・使い方のうちの「ほんの一部」です(学校が間違ったことを教えているわけではありません)。
でも、がっかりしないでください。
逆に言えば、willやwouldなどの助動詞は、もうすでに目になじみがあるということです。読んだことも使ったこともある。
これは大きなアドバンテージです。見たこともない単語より、ずっと親しみがあるからです。
たとえば、「should=~すべき」と教わりましたね。
もちろん、その意味でも使います。
それに加えて、ネイティブは「助言、推測、提案」などで多用しています。
「(彼らは)もうすぐ着くと思うよ」は、
They should be here soon.
学校で習った「should =~べき」しか知らないと、「彼らは間もなくここにいるべきだ」という不思議な意味になってしまうわけです。
なぜ、過去の話じゃないのに過去形?
ほかにも、日本人がつまずきやすいポイントが、
「なんで過去の話をしてるわけじゃないのにcouldとかwouldがよく出てくるの?」
というものです。
たとえば、「そうかもね」なんて言うとき、ネイティブは、
That could be true.
と言います。
「お願いごとがあるんですが」なら、
Could you do me a favor?
どちらも、過去の話ではありません。
「couldには推測や丁寧(ていねい)な意味がある」と知っていれば、すんなりわかりますね。
意外かもしれませんが、助動詞の過去形であるcouldやwould、might、shouldは、元の形であるcanやwill、may、shallよりも、日常会話で使う頻度(ひんど)は高いです。
なぜかといえば、推測や丁寧さ、可能性など、さまざまなニュアンスがあるから。
1単語でいろいろな意味になる「使い勝手の良い助動詞」を、ネイティブは多用しますが、残念なことにその「意味の多さ」が日本人にはむずかしく感じられてしまうのです。
そもそも、助動詞って?
ところで、そもそも助動詞って何でしょう?
「助+動詞」ですから、文字通り「動詞を助けるため」の言葉です。
どのように「助ける」のでしょう?
明らかにするために、基本となる現在形の文と比較してみましょう。
普通の現在形の文
I play the piano. 私はよくピアノを弾きます。
ちなみに現在形は、学校ではあまり習わないかもしれませんが、基本的に「よく~する」という習慣のニュアンスを含んでいます。
canをプラスすると「可能な能力」
I can play the piano.
私はピアノを弾くことができます。
willで「意志」
I will play the piano.
私はピアノを弾きます。
mustは「必要・義務」
I must play the piano.
私はピアノを弾かねばならぬのだ。
mayで「可能性」
I may play the piano.
私はピアノを弾くかもしれない。
shallで「未来・意志」
I shall play the piano.
私はピアノを弾くであろう。
couldで「仮定」と「過去に可能な能力」
I could play the piano.
私がピアノを弾くのもありだ。
私はピアノを弾くことができた。
wouldで「意志」と「過去の習慣」
I would play the piano.
私だったらピアノを弾くだろう。
私はよくピアノを弾いていた。
shouldで「必然」
I should play the piano.
私はピアノを弾いた方がいい。
mightで「可能性」
I might play the piano.
私はピアノを弾くかもしれない。
……となります。
あくまでこれは一例ですが(助動詞にはさまざまな意味があるため、他の意味になる場合もあります)、助動詞をプラスすることで、ニュアンスが変わるのが分かりますよね?
たった数文字の助動詞を入れるだけで、いろんな表現ができるようになるのです。
しかも、ネイティブがよく使う助動詞は、多くはありません。
「たった9つ」で、ほとんどの日常会話をやりくりできてしまうのです。だから「9助動詞」を身につけてほしいのです。
応用範囲も広い!
応用範囲が広いのも、助動詞の特徴です。
たとえば助動詞+have+過去分詞にすれば、さらにバリエーションが増えます。
疑問文にしたり主語を変えれば、無数の表現が可能になります。
「動詞の意味にプラスアルファするもの」が助動詞なので、助動詞を正しく使い分けられるようになると、微妙なニュアンスを伝えることができます。
TPOに合った「お願い」は、どれ?
人に何かをお願いするとき、失礼に当たるのは避けたいですね。
一方で、丁寧すぎたり、へりくだりすぎるのも良くありません。
気軽な言い方から超丁寧な言い方まで、だいたいのイメージとニュアンスをつかんでおきましょう!
○「お願い」の表現いろいろ(上ほどカジュアル、下に行くほど丁寧に)
Can you open the door?
ドアを開けられる?
【親しい人に】
Will you open the door, please?
ドアを開けてくれる?
【親しい人に】
Could you open the door( for me)?
ドアを開けていただけますか?
【丁寧なお願い】
Would you open the door( for me)?
ドアを開けてもらえますか?
【丁寧なお願い・命令】
Would you mind opening the door(for me)?
ドアを開けていただけますでしょうか?
【状況によっては丁寧すぎるお願い】







