まず、ずっと見えないままになるのは「網膜動脈閉塞症」といって、眼球の動脈が詰まっている状態のことがあります。事前に痛みやかゆみなどの異変を感じることなく、まさしく突然、ふっと電気が消えるように見えなくなります。

 しかし、たいていは片目に起こるため、意外と放置してしまう人が多いようです。

 片目が見えなくても普通に歩けるし、仕事もできる、食事もできる。それに眼科に行く時間がない。というわけで「たぶん疲れているせいかな」「一晩寝れば、治るでしょう」と様子を見てしまうのです。

 ところが、一晩ほど時間を置いてみても、全然回復しない。そこでようやく深刻に受け止めて眼科に駆け込んでも、たいていは、もう手遅れです。

 網膜動脈閉塞症は血管の詰まりですから、血が通わず神経が壊死してしまう前に詰まりを取らなくてはいけません。脳梗塞や心筋梗塞と同様、どれだけ早く処置をするかで予後が大きく変わります。

 網膜動脈閉塞症は夜に発症することが多いため、眼科を受診するまでに時間がかかり、手遅れになるケースが多く見られます。

 タイムリミットは発症から6~8時間です。真夜中でも絶対に朝まで待ったりせず、できるだけ早く救急外来に駆け込んでください。ためらうかもしれませんが、確実に救急車を呼ぶべき事態です。

 また、視力が戻った場合も、「戻ったから大丈夫」と考えてはいけません。

 網膜動脈閉塞症ほどの緊急性はありませんが、一時的に見えなくなったのは、一時的に眼球の血流が低下したということです。網膜動脈閉塞症の前兆や脳の血管が詰まり始めているのかもしれないので、早めの受診が望まれます。

 一般的に健康的な人などは多少これらの行動を行ったからといってすぐに何かが起きることはありませんが、少しでも目にいい生活を送っていただければと思います。