2024年の中国問題を
5つの視点で先読み
2023年が過ぎ去ろうとしている。
今年の中国は、約3年続いた「ゼロコロナ」策の解除から始まった。経済活動を正常化し、国をリオープンしようとする中、3月の全国人民代表大会を経て、習近平3期目が本格始動した。
だが、景気回復は思ったより進まず、不動産危機や若年層の失業率発表停止、デフレ基調は、中国経済に不透明感を漂わせた。秦剛、李尚福という「習近平人事」で引き上げられた外相、国防相兼国務委員がダブル失脚、解放軍内では近年まれに見る「大粛清」が強行された。
そんな中、2月の「気球事件」で悪化した米中関係は11月、米サンフランシスコで首脳会談を開催し、停止していた軍同士の対話再開などで合意した。2022年、ナンシー・ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問で緊張が走った台湾海峡に対して、中国共産党は継続的に外交的・経済的・軍事的に圧力をかけ、馬英九前総統初訪中などを通じて、2024年1月の台湾総統選、台湾問題を自らに有利に展開すべく仕掛けた…。
そんな中で迎える2024年。中国問題で注目すべき点は何か。政治・経済・外交・米中・台湾という5つの視点から先読みしていく。