「相談相手が見つからないと悩んでいませんか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「相談できる人」は、いる?
あなたには、「相談相手」がいますか?
「家族が信用できない」という人は案外多く、身近な「相談相手」を求める人もいらっしゃると思います。
そんな相談相手は、どのように選んだらいいのでしょうか?
相談相手に大事なことは?
相談相手というと、つい「ハッキリと断言してくれる人」を想像するかもしれません。
しかし、解決することが目的ではないんですよね。
「できるだけ相談しやすい」と感じること。
「相手に負担をかけすぎないこと。
そういうことのほうが重要です。
他人への相談は、「自分の内面をさらけ出す」ということです。
そのため、緊張したり話しにくいという相手に対しては、無意識に言葉を選んでしまい、うまく伝えきれません。
それでは相談が本末転倒ですよね。
「1人」に依存しないこと
なので、「気が知れていること」「話をしやすいこと」を優先させましょう。
また、仲のいい人でも、自分がずっと相談ばかりしていると負担を感じてしまい、離れて行ってしまうことも起こりえます。
だからこそ、相談相手は絞らずに、いろいろな人と話ができたほうがよいかと思います。
「この人じゃないとダメ!」という人を1人に絞ってしまうと、その人と会えなかったり、すれ違ったりしたときに、大きなダメージになってしまいます。
何人かの相談相手がいることがベストです。
とはいえ、そのような素晴らしい相談相手には、なかなか簡単に出会えるものではありません。
まずは、あなたが好きなことを共有できるような趣味や楽しみを広げていくことで、交友関係を広げていきましょう。
その延長線上に、「いい相談相手」に恵まれるのだと思います。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。