どんな英語試験でも、このような「文章を読んで答えを出しなさい」系の問題は頻出ですが、わりと多くの場合、選択肢を見るだけで答えが導けることがあります。

 みなさんは、この問題の正解はどれだと思いますか? と聞かれても、混乱しますよね。「え、文章を読んでいないから、わからないよ」と。

 でもこれ、正解を選べます。正解はdです。これくらい東大生なら文章を全く読まなくてもわかります。

「ええ!? なんでそんなことが言えるの?」と思うかもしれませんが、それこそ裏ワザを使えば簡単に答えが出せるのです。

 まず、長文問題の選択肢問題における鉄則があります。断定系の選択肢というのは正解になりにくいです。「絶対にこうだ!」「間違いない!」系の選択肢は、間違っている可能性が高いのです。

 例えば選択肢aでは、「顕微鏡を使わないと区別できない」と書かれています。しかし、「区別できる可能性は万に一つもないの?」と聞かれたら、どうでしょうか?

「使わないと区別できないって、本当にそうなの? 例外はないの?」と聞かれて、答えられないようなものが正解になるわけはないのです。

 多くの人が受ける試験なのですから、万に一つでも間違いがあってはいけないわけです。ですから、絶対に正解になるもの以外は、正解にならないのです。

 その理屈で言うと、cの「一切存在しない」も「本当?」って疑いたくなりますよね。一切存在しないということは、一つでも例外があったら当てはまってしまうということです。

 唐突ですが、みなさんは、北海道でパイナップルを育てることはできると思いますか? ○か×かで答えてください。

 正解は、○です。

「え! 北海道って寒そうだし、育てることなんてできないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、ビニールハウスでも作って、暖かい部屋を作ってその中で1つでもパイナップルを育てれば別にできなくはないですよね。北海道で一軒でもパイナップルを育てていれば、99.9%不可能であっても、「可能である」ということになってしまうのです。

 このように、例外が1つでもあれば、○になってしまう選択肢というのは、とても脆弱なのです。

 なぜなら、ほんの1つでも当てはまるもの・当てはまらないものがあれば、正解にならなくなってしまうからです。

 逆に、正解になりやすいのは、曖昧で、「どちらとも言えない」ような選択肢です。