概日リズムが正しく機能していると、午前3時頃から明け方にかけて、覚醒作用のある副腎皮質ホルモンが分泌されます。起きるモードへの切り替えです。体温が上昇し、休息から活動モードへと脳や体が向かいます。

 この段階でレム睡眠に移行し、明るさや音などのゆるやかな刺激でも目が覚めやすくなります。自然な目覚めはこうしてやってきます。

 寝入った後にも脳はリズムに沿って活動や休息をしています。レム睡眠とノンレム睡眠もそのひとつです。レム睡眠とはまぶたの下で眼球がキョロキョロしている状態。ノンレム睡眠はレム(急速眼球運動)がない状態ということです。レム睡眠とノンレム睡眠は、平均的には約90~120分ごとに入れ替わり、夜の脳活動を支えています。

「睡眠は長さよりも質」
は大きな間違い

 心身の不調のリスクを避け、パフォーマンスを十分に発揮するための睡眠には、絶対的に必要な時間と、質の高さの両方が欠かせません。「睡眠は、眠りの長さよりも質が大事」とよく言われますが、これは明らかに間違いです。

 良い眠りには、7時間以上、9時間以内の睡眠時間を確保することが非常に重要です。

 同時に「質」の部分としてレム睡眠とノンレム睡眠をバランス良く繰り返すリズムが重要です。

「時間」と「質」のどちらかが不足したり乱れたりすれば、記憶の定着や脳の老廃物の排泄、脳の休息といった睡眠の役割が十分に果たされません。睡眠時間の理想は7時間半。最低7時間以上は寝てください。

 私自身、長らく睡眠障害を抱えたまま生きてきて、そのデメリットや良い睡眠のもたらすメリットを知り尽くしています。

 現在の私の睡眠時間は、平均7時間半ほどです。ここにプラス30分程度の余裕を持たせた8時間を睡眠時間として確保できれば最高です。現在は8時間以上を目標にして1日のタイムスケジュールのコントロールに気をつけています。