マイナス22度の極寒山中で17歳を発見~中国人留学生を狙う「サイバー誘拐」っていったい何?地元警察は、発見されたときの中学人留学生は「ケガはしていないものの、寒さに震え、恐怖におびえ」ており、彼が「手の込んだサイバー誘拐の被害者」だと判断したが…(写真はイメージです) Photo:PIXTA

昨今、中国人留学生を狙う「サイバー誘拐」という犯罪が増えている。しかし電脳空間(サイバー)上で、生身の人間を誘拐するとはどういうことなのか? 調べてみると、日本人にはおなじみの“ある犯罪”の亜種であること、狙われる中国人留学生にはある共通点があることが判明した。それは……。(フリーランスライター ふるまいよしこ)

大みそか、-22度と極寒の山中で中国人留学生が発見される

 2023年12月31日、米国ユタ州のリバーデイル警察はその前の木曜日から行方不明だった、中国からの17歳の交換留学生、荘凱さんを同州の山中で発見したと発表した。

 発見された時、現地の気温はマイナス22度。荘さんは雑木林の中に立てられたキャンプ用テント内に一人でおり、テント内には熱源はなく、寝袋と毛布、ほんの少しの食料と水、さらに数台のスマホがあっただけだったという。リバーデイル警察によると、発見されたときの荘さんは「ケガはしていないものの、寒さに震え、恐怖におびえ」ており、警察は彼が「手の込んだサイバー誘拐の被害者」だと判断した。

 この事件については、日本メディアも外電を引用して報道していたので、記憶の片隅に残っているかもしれない。

 ……でも、サイバー誘拐ってナニ?

「サイバー」とは、インターネットやコンピューター、デジタルネットワークを指す言葉である。その「サイバー」で、どうやったら生身の人間を「誘拐」できるのか?

 想像をめぐらしてもどんな事件なのかが理解できなかったので、この事件報道をもとに、「サイバー誘拐」とやらについて調べてみた。