2024年が始まりました。本稿では、私たちの暮らしに影響するであろう税制を中心に、2024年度の税制改正をご紹介します。税制改正といえば、昨年「所得減税」の是非が話題になりました。将来性のある有意義な改正となっているか、有権者としてこのあたりもチェックしておきましょう。(社会保険労務士 井戸美枝)
そもそも「税制改正大綱」とは?
そもそも税制はどういった流れで改正されるのでしょうか。
簡単にまとめますと、毎年12月に税制調査会が中心となって、各省庁の要望を受けながら税制改正の方針をまとめます。これを「税制改正大綱」といいます。
この大綱をたたき台として改正法案が作成され、翌年2月に国会で審議されます。審議を経た後、3月に法律が成立、4月から施行される、という流れが通例となっています。
改正法案は、国会の審議を経るものの、その概要が大きく変わったことはありません。つまり、慣例として「税制改正大綱」を読めば来年度の改正がわかるということですね。
今年の改正ポイントは
では2024年度の「税制改正大綱」の概要を見てみましょう。
今年度の税制改正は、「インフレへの対応」(所得減税や賃上げ企業の優遇など)、「子育て世帯への支援」の2点がポイントといえそうです。
本稿では、これらの中から「所得税減税」と「扶養控除」をピックアップします。