米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げとバランスシート縮小ペースの鈍化を検討している。この二つはどちらも、経済のブレーキを緩めるものに見える。だが別々に決定されるものであり、FRB当局者が同時期にこれを検討しているのはおおむね偶然にすぎない。とはいえ、根本にある原理は同じかもしれない。つまり、政策を早めに少し緩和しておけば、後で大幅に緩和せざるをえなくなるリスクを最小限に抑えられる、というわけだ。31日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策が変更される見込みはほぼない。FRBは翌日物金利の誘導目標レンジを5.25~5.5%に据え置くほか、国債や住宅ローン担保証券を含む7兆7000億ドル(約1140兆円)規模の保有資産を引き続き毎月約800億ドルずつ縮小することを決め、2022年6月に開始した「量的引き締め」を継続する公算が大きい。だが、おそらく政策声明と会合後のジェローム・パウエルFRB議長の記者会見では、変更を準備していることが示唆されるだろう。
FRBが探る「二重の緩和」、難しいタイミング
当局者は利下げと量的引き締めペース鈍化に着手する時期を探っている
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