秋篠宮妃紀子さま秋篠宮妃紀子さま Photo:SANKEI

英王室では国王と皇太子が
そろって公務を離脱

 この年末年始、日本の皇室のみならず世界の王室でも心配なニュースが続いている。年末には、スペインで、レティシア王妃の妹テルマさんの夫だった実業家ハイメ・デル・ブルゴ氏が暴露本を出した。その中で同氏は、レティシア王妃が国王と結婚する以前に不倫関係にあり、結婚によって中断されたが、その後、復活していたと主張した。

 また、デンマークでは、マルグレーテ女王(83)が昨年の大みそかに突然の退位を発表。今年1月14日に退位され、長男のフレデリック10世(55)が新たな国王に即位された。マルグレーテ女王は高齢であり、また、夫のフレデリク殿下を失われていることから、ほどほどの年齢になった皇太子のフレデリック10世に譲位するのは、妥当なタイミングであると祝福された。だが一方で、一部で報道された新国王の不倫疑惑の拡大に先手を打ったという見方もある。

 日本では、イギリス以外の王室の出来事は、あまりよく知られていないが、皇室問題を論じるためには、海外のロイヤル・ファミリーで起きている問題を、良いことも悪いことも参考として知るべきだと思う。これについては、また別の機会に書きたいと思う。

 なお、皇室については、陛下が「エンペラー」だから、ロイヤル・ファミリーではなく「インペリアル・ファミリー」ではないかという人もいるだろうが、インペリアルはロイヤルの上位概念だから、まとめてならロイヤル・ファミリーで差し支えない。

 一方、健康面での心配なニュースも相次いでいる。英国王室では、チャールズ国王(75)が前立腺肥大症で手術されるとのことだ。病状は良性で「療養のため、短期間公務を見合わせる」という。

 日本でも、上皇陛下はご在位中の2003年に前立腺がんの手術を受けて回復されたし、今上陛下も、肥大の兆候があるというので、20022年の暮れに組織検査を受けておられ、異常は認められなかったが経過を観察するということになっている。

 前立腺肥大症は尿道を圧迫して排尿しにくくなるなどの症状が出る。深刻なものではないが、チャールズ国王は「症状があるかもしれない多くの男性に検査を受けるよう促すため」に、国王が病状の公表を望まれ、しばらく公務を控えられるという。

 1月17日、チャールズ国王の入院予定発表の1時間半程前には、キャサリン皇太子妃(42)が、ザ・ロンドン・クリニックで腹部の手術を受け、10~14日間入院し、自宅で療養すると発表された。公務復帰はイースター(今年は3月31日)の後になる見込みだという。

 子どもたちに余計な心配をかけるとして、病気の詳細は発表していないが、がんではないとだけ発表されている。ただ、イギリスは日本に比べて入院期間が短いのが通例である。キャサリン妃が第三子のルイ王子を出産した際、その7時間後には退院されたと話題になったことがある。

 それだけに、今回の入院は、重症であることを意味している。ウィリアム皇太子も、王妃の側にいたいこと、および、子どもたちのケアのため、当分の間、公務を行わないそうだ。つまり国王と皇太子がそろって公務から離脱するというのだから穏やかでない。

 さらに、2023年夏、乳がんの治療を受けたアンドルー王子(ヨーク公)の元夫人セーラ・ファーガソンさんが、皮膚がんと診断されたという。ファーガソン元妃は、王室メンバーがそろうサンドリンガム・ハウスでのクリスマス礼拝に、不倫が報じられた前年の1991年以来、なんと32年ぶり参加を認められ、国王一家のパレードにも参加したことが話題になったばかりだった。

 アンドルー王子とファーガソン元妃は離婚してからも同じウィンザー城の領地内にあるロイヤルロッジ宮殿に一緒に住んでいるという不思議な元夫婦だ。ただ、兄のチャールズ国王から、ヘンリー王子・メーガン妃夫妻が住んでいた小規模なフログモア・コテージへの転居を求められていさかいとなり、ストレスの大きい状況にある。