20世紀になって変化した
ヨーロッパの王族の結婚
皇室・王室の結婚についての話題は、どこの国でも国民的な関心事でもある。しかも、彼らの結婚は、国民の結婚に対する考え方に大きな影響を与えてきた。そこで、日本のプリンセスたちの結婚の歴史を振り返り、併せて、眞子さま問題の総括、そして、佳子さまや愛子さまの結婚について予測したい。
プリンスやプリンセスのロマンスは、「シンデレラ」や「ローマの休日」のように庶民までもが胸をときめかす夢の世界のリアル版だ。
一方、王家のごたごたが政治や外交にも大きな影響を及ぼすことは、英王室を描いたNetflixのドラマ「ザ・クラウン」でもリアルに描かれた。余談だが、この番組のファンだった安倍晋三元首相がジョンソン元首相に「どこまで真実か」と聴いたところ、にやりとしてウインクしたと本人から聞いたことがある。
「ザ・クラウン」では、チャールズ国王とダイアナ元妃との離婚において、エリザベス女王の依頼で当時のメージャー首相が自ら交渉に当たったことも描かれていた。
かつては、ヨーロッパの王族では、君主一族同士のみが結婚し、平民はおろか一般の貴族との結婚すら「貴賤婚」として差別され、王妃として扱われなかったり、子どもが継承権を持たなかったりした。このため、国際結婚が原則で、同国人とはめったに結婚しなかった。
従って、王女は一生、プリンセスだった(ヨーロッパでは王女も妃殿下もプリンセスと呼ばれる)し、王妃も生まれながらのプリンセスだったので、特別の教育も必要でなかった。
しかし、20世紀になると、英国でも国内の貴族との結婚が増え、戦後には、エリザベス王女の妹のマーガレット王女や娘のアン王女は平民と結婚した。