政治から独立する上での問題は、見た目が重要だということだ。単に独立しているだけでなく、独立しているように見せなければならない。それによって本来とは異なる行動をとることになってもだ。多くの投資家は、米連邦準備制度理事会(FRB)がまさにそうするよう迫られていると考えている。3月に利下げし、米大統領選の選挙運動が本格化する前に利下げサイクルに着手するとの見立てだ。雇用やインフレに関する統計が予想を上回り、FRB高官らが早期利下げを否定しているにもかかわらず、トレーダーらが「3月利下げ」をなお5割ほど織り込んでいる一因は、FRBが政治的な論争を避けたいと考えていることにある。FRBの動機に対する疑念は避けられない。FRBは大きな力を持っているが、それを党派的な目的のためではなく、より大きな国益のために使っているのだと信じるしかない。陰謀論はあふれている。2021年、個人的な金融取引が問題視され、地区連銀総裁2人が辞任したことで、国民の信頼はさらに失われた。(ただし、2人ともFRBの規則違反の疑いは晴れている)
FRB、政治と無縁ではいられず
年内に米大統領選を控える中での利下げ時期・規模が議論の的に
有料会員限定
あなたにおすすめ