米共和党はまだ大統領候補の指名を確定していないが、何カ月間も求めてきたものを見つけた。人工妊娠中絶に関する勝利のメッセージだ。ドナルド・トランプ氏とニッキー・ヘイリー氏は、手法に違いはあるものの、この問題について述べている意見は似通っている。両氏はともに、中絶合法化に反対の立場だが、連邦レベルでの中絶禁止は支持していない。彼らのメッセージは共和党員の大多数の共感を呼んでおり、米国人の大多数の心を揺さぶる可能性がある。ギャラップ社の世論調査では、米国人の55%が妊娠中期(13~24週)の中絶に反対だと回答した。両氏のこうした姿勢は、妊娠中絶反対運動に胎児を救う最良のチャンスをもたらしている。まず、両氏が破った候補者たちのことを考えてみよう。ロン・デサンティス、ティム・スコット、マイク・ペンスの3氏はいずれも妊娠15週以降の中絶を連邦レベルで禁止する法律の制定を支持していた。世論調査によれば、米国人の多くがこうした規制を理屈の上では支持しているが、実際には、法制化の見込みがないことが分かっている。2022年に米連邦最高裁が、中絶の権利を認めた「ロー対ウェード判決」を覆して以来、中絶反対派の活動家たちはミシガン、オハイオ、カンザスなどの州での住民投票で敗北を喫している。トランプ、ヘイリー両氏の主張は、こうした反対派の主張とは異なるものだ。
【寄稿】米共和党、中絶問題に勝利のメッセージ
トランプ・ヘイリー両氏は人工妊娠中絶の反対派に胎児を救う最良の機会を提供
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