米連邦準備制度理事会(FRB)は31日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を予想通り5.25~5.50%に据え置いた。また、インフレ危機が後退したと確信した場合は、今後数カ月での利下げに柔軟に動く構えを示すことで、正式に金利見通しをシフトした。FOMC政策声明は「雇用とインフレの目標を達成する上でのリスクのバランスは改善に向かっている」とし、経済見通しの変化が誘導目標の「調整」を促し得ると説明した。半年前に実施した前回の利上げ以来、FRB当局者が主張してきた「追加の政策引き締め」の可能性よりも中立的な表現に変わった。FRBは同時に、見通しの変化は目先の利下げを示唆するわけではないとのシグナルも発した。声明は「委員会はインフレが持続的に2%に向かっているとの確信を深めるまでは、誘導目標の引き下げが適切だとはみていない」とした。