私は外向的な人間だ。その恩恵を受けていることを認める。社交的な人々は注目されやすく、リーダーに抜てきされたり、「ハロー(後光)効果」で良い印象を与えたりする。つまり周囲の者たちは外向的な人間に対し、好感が持てる、聡明である、などの前向きな特徴を持つと思い込む。だが私は社会科学者として調査結果を無視できない。外向的な人間に関するこうした見方の多くは事実に反するということだ。各種研究が示すように、内向的な人と外向的な人は学業環境でも企業環境でも同等に有能であり、また企業経営者のカリスマ性とその会社の業績には実際何の関係もない。だが外向的な人間に対する誤解は根強く存在し、内向的な同僚に比べてリーダーに選ばれる可能性が高い。それは残念なことだ。なぜなら新型コロナウイルス禍をへて、リモートワークや多様なコミュニケーション、遠くに分散するチームメンバー、人工知能(AI)、世界的な混乱に満ちた時代を迎えた今、内向的な人こそリーダーにふさわしい資質を持つからだ。