リーマンショック、東日本大震災と続いた未曾有の出来事によってもたらされた環境変化は、これまでの社会秩序を覆し、新しい価値観・生活行動(ニューノーマル)を生み出した。価値観の変化は、特に20~30代のDEWKS(子どものいる共働き夫婦)に顕著だ。こうした価値観の変化を踏まえ、女性市場を考える第3回は、新たな時代の女性マーケティングについてみていく。
女性の消費行動に
違いをもたらす要因
前回、「経済資源」、「時間資源」、「家族資源」の3つの生活資源の組み合わせで女性市場攻略のヒントを考えたが、これらに加えて、女性が生活の中でどのような役割を担うかが、消費行動に影響してくる。たとえば、ワーキングシングルは、「自分」はもちろんのこと「娘」、さらに「会社員」という役割を担うのに対し、ワーキングマザーは、それらに加え「妻」「母」という役割も加わる。
女性の消費行動に違いをもたらす要因を整理すると、図表1のように示される。
生活資源、および、女性が生活の中で果たす役割は、どのようなライフコースを選択するかに依存するところが大きい。
さらに、ライフコースの選択には、価値観が影響する。たとえば、達成志向が強い女性はキャリアアップを目指し働き続けるという選択をする、生活の安定を求める女性は専業主婦になることを目指し大学や会社を選択する、といったことが考えられる。