マンガ雑誌の編集者が語る。
「毎週発売日の朝には、#(ハッシュタグ)付きで読者が読んだ感想をXに投稿し、Xのトレンドに載ったりもします。ただ、昨年の秋くらいから状況が一辺しました。海外のユーザーと思われるアカウントがトレンドに入った第三者の投稿などをコピペし、そのまま投稿している様子が確認されています。しかも、その投稿には全く関係のない綺麗な風景の動画なども貼り付けられていて、気味が悪いというか……。読者に不快感を与えてしまっているのかなと心配しています」
削除を要請
こうした海外のユーザーからのリプライやコピペ投稿は、デマ情報を拡散する一因ともなっているという。
1月1日に能登半島を中心に北陸地方を襲った「令和6年能登半島地震」では、震災発生後、実在する住所とともに「生き埋めになった。助けて」とXでいくつか投稿され、数万件のリツイートがされるなど拡散された。ただ、投稿内に書かれた住所とはまったく無関係の人物による「偽救助要請」が含まれていたことが明らかになっている。
全国紙の社会部記者は「もともとデマで流された偽救助要請が、海外のユーザーによってコピペ投稿され、さらに大きく拡散されてしまった。被災地では救助の混乱も招いていたので、政府も該当する投稿の削除を事業者に要請するなど対策に乗り出した」と語る。
なぜこのような投稿が生まれてしまうのか。
ITジャーナリストの高橋暁子氏は「Xでの収益化プログラムが原因の一つ」と指摘する。
Xは2023年7月から、定額ユーザーのアカウントを対象に、(1)フォロワー数が500人以上、(2)3カ月以内のインプレッション数が500万件以上、などの条件を満たすと収益化ができるようサービスを始めた。