米連邦準備制度理事会(FRB)は数カ月以内に、政策金利の誘導目標レンジを引き下げ始める可能性が高い。問題は、どの程度下げるべきかだ。FRBが参照しているモデルによると、金利はすでに今より低い水準であるべきだ。だが経済はモデル通りに動いていないかもしれないし、米国債利回りなどの長期金利が昨年秋以降に急低下したことで状況は複雑さを増している。FRBは1月31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25~5.5%に据え置いた。23年ぶりの高水準が昨年7月から続いている。FRBは利下げ方向に傾いていることを示唆する文言を政策声明に加える一方、利下げ開始時期については明言を避けた。「委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまで、誘導目標レンジの引き下げは適切ではないと考える」とした。