マレリPhoto:Bloomberg/gettyimages

自動車部品大手の「マレリ」(さいたま市北区)がふたたび資金繰り不安に直面していることが分かった。持株会社で金融機関からの資金調達窓口である「マレリホールディングス(HD)」(同)が1月16日にバンクミーティングを開催し、足元の厳しい資金状況などについて説明したという。(東京経済東京本部長 井出豪彦)

資金計画の狂いから
数百億円規模の調達必要か

 自動車部品大手の「マレリ」(さいたま市北区)がふたたび資金繰り不安に直面していることが分かった。

 金融筋によれば、資金計画の狂いから新たに数百億円規模の調達が必要になる可能性があるとされ、スポンサーの米大手ファンドKKRなどが主導していざというときの調達先を探しているもようだが、成否は流動的だ。

 マレリHDが2022年8月に東京地裁で民事再生手続(簡易再生)を終結してからまだ1年半しかたっていない。法的整理による再スタートから間もない段階での異例ともいえる資金不安。背景には、事業譲渡や資産売却が思うように進んでいないことがあるという。

 たしかに昨年2月に東証スタンダードに上場する東京ラヂエーター製造の株式の一部を27億円で売却したほかは目立った動きが見られない。一方、従業員のリストラについては各事業部門が順調に積み上げた結果、退職金などのキャッシュアウトが先行してしまっているとされる。「リストラの効果はこれから出るため、今期以降、業績改善が見込めるのは事実だが、足元で一時的に資金ショートの危険性がある。グループの資金管理がうまくできていない」(取引行関係者)というからなんともお粗末だ。