皆さんが気になるのは、こうした情報の流出をどうしたら防げるのかということだと思います。もちろん、最大限の自己防衛は必要です。電話で怪しい調査に答えたり、「口座が凍結されました」と語る不審なメールのリンクをクリックしたりしてはいけません。知らない番号からの電話は出ない、怪しいと思ったら電話をすぐ切るなどの対策も有効です。
しかし、大学の卒業名簿や企業の顧客情報の流出は自分ひとりでは防ぎようがないので、個人情報を完全に守ることは不可能です。私たちは、「情報は流出している」という前提で防犯対策をしなければいけません。
強盗に狙われやすい場所は?
犯罪グループが商店を襲撃するときも、一般宅を狙うときと同様、詳細な間取りや商品の位置などを事前に洗い出しています。わずか2分のうちに1300万円分のポケモンカードが盗まれた草津市の盗難事件では、高額なカードが保管されている場所を示した詳細な店舗図面が流出していました。
強盗のターゲットにされやすいのは、宝石店や時計店など、小さくて運びやすく高価な商品を扱っている店です。ポケモンカードはまさにこの条件を揃えていますね。
ポケモンカードが狙われやすいもうひとつの理由は、海外で売れるということです。近年は質屋と警察の連携が進んでおり、盗んだ高級時計や宝石などを国内で売ることは非常に難しくなっているため、犯罪グループは盗んだものを海外で売りさばこうとしています。
ポケモンカードは海外でも人気で、市場も大きく高値で取り引きされています。加えて、カードは高価でも実際はただの紙ですから、金の延べ棒などとは違って空港の金属探知機で発見される恐れもないので、隠すのが容易です。これ以上ないほど狙い目の品だと言えるのです。
他にも、売り上げがそのまま店舗に置いてあるような飲食店や小さな工場なども、現金目当てで強盗が入りやすいので、特に注意が必要です。
“無敵の強盗”への対応策
“無敵の強盗”は、事前に入手した侵入先の情報をもとに短時間で犯行を終わらせるつもりだからこそ、防犯カメラの存在をものともしません。
もちろん、防犯カメラに全く効果がないというわけでは決してありません。単独で行動するプロの強盗に対しては高い効果を発揮しますし、犯行が起こったとしても証拠映像が残っていれば事後捜査において役立ちます。しかし、防犯カメラという心理的障壁を突破してくる以上、“無敵の強盗”から資産や家族の身の安全を守るためには、物理的に屋内に侵入させないということが重要になります。