「泥棒!」と叫ぶと犯人が逃げたという話がありますが、これは薦めません。逃げたのはあくまでも結果論です。大声を出せば犯人を刺激してしまい、最悪の結果になることも考えられます。

 強盗は侵入時に使用したバールやハンマーといった凶器になりうる道具を持っているケースがほとんどです。もし犯人が襲いかかってきたら、前回の記事で説明したとおり、とにかく攻撃の動線から外れることを意識してください。具体的には、犯人に対して体の側面だけを向けながら、攻撃をかわし続けてください。

 犯人が転ぶなどして攻撃が中断されたり、戦意を喪失したり、自分から距離を取ったりしたら逃げるチャンスです。逃げるときは、常に犯人を視界に留めておくようにしてください。距離が取れて攻撃の射程から外れたら、脇目もふらずに全力で逃げて問題ありません。

 逃げる場所ですが、ドアや窓、勝手口などから外へ出られれば、外に出ましょう。

 強盗犯に経路をふさがれて外に出るのが難しい場合、「パニック・ルーム」に逃げ込むのも有効です。パニック・ルームとは、セーフ・ルームなどとも呼ばれ、犯罪や災害から身を守る目的でつくられる避難部屋のことです。なるべく鍵のかかる部屋にするといいでしょう。突破するのに時間がかかるとなれば、犯人が諦めて立ち去ることも考えられます。

 残念ながら、私たちは誰もが“無敵の強盗”に狙われています。実際にターゲットにされるかどうかは運の要素もあるでしょう。しかし、出来る限りの防犯対策をとれば彼らの犯行を遠ざけられるということ、正しい防衛術を身につければ最悪の事態を生き延びる確率が上がるということは、心に刻んでおいてください。