5万人のダイエットを成功させた健康運動指導士・植森美緒の新刊『イラストでわかる 肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑』では、自身が椎間板ヘルニアと診断された過去の経験と35年の指導経験から、体の痛みを消すメソッドを紹介しています。日常のあらゆる場面で痛みの出ない動作を身につければ、いま痛い部分の痛みが出なくなり、全身の痛みが解消します。長い人生、どこも痛くない体は大きな財産になります!
足の力だけではなく、上半身の力を使って歩く
健康運動指導士。指導歴35年。ドローインの第一人者
ダイエットに10年間失敗し続け、無理な運動で腰を痛めた経験を持つ。「日常動作を変えれば人生が変わる!」をモットーに、生活の中で無理なく行えるダイエット・健康法を提唱。自らもそれを実践し、腰痛を克服。ウエストサイズ58センチの体型を30年以上維持している。
スポーツクラブの社員からフリーランスになり、カルチャースクール、専門学校、整形外科、自治体、健康保険組合、企業、女性誌、テレビなど多彩なステージで活動を重ねている。その場で効果を実感できるセミナーが好評で、直接指導した人数は5万人超。著書に『1日1分で腹が凹む 4万人がラクに結果を出した最高に合理的なダイエットの正解』『生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑』(ダイヤモンド社)など、ベストセラーも多数。
ひざを守るためには、じつは頭を支える上半身の力が必要です。上半身の力が使えるか使えないかでは、歩くときにひざにかかる重みはまったく変わってきます。
たとえば高いところのものを取るなど、手を上に伸ばす動作では、背中とお腹の筋肉を両方使って上半身を大きく伸ばす必要があります。ところが普段の生活を思い返しても、手を上に伸ばす動作はほとんどありません。そのため気づかないうちに上半身の力は衰えていくのです。
恐ろしいことに、上半身の筋力が低下することは、将来の「転倒」リスクにもつながります。
頭と腰が落ちてくると、歩くときに足を大きく前に出しにくく、ぐらつきます。そうすると怖いので、前足をすぐつき、歩幅が小さくなり、足の筋力が低下します。ご老人特有の「ひざが曲がったまま歩く小さな歩幅のすり足」には、このような流れでなっていくのです。
転倒リスクを回避
すり足になると小さな段差でもつまずいて転びやすくなりますので、上半身を上手に使いながらひざの負担を小さくする動作を心がけてください。
何もしなければ上半身の力は衰えていくばかりなので、日常動作で意識することがとても大切です。
上半身の力を抜くとひざに負担が集中
頭の位置が低く、背中が丸まっているせいで腰が落ちている。重心が低く、体重がずっしりとひざにかかっている。
頭を上半身で支えてひざに重心をのせない
頭の位置が高く、上半身がまっすぐに伸びて腰の位置が高い。重心が高いので体重は上半身と腰で支えて、ひざの負担は少ない。
*本記事は『イラストでわかる 肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑』から、抜粋・編集して構成したものです。
*著者/植森美緒(健康運動指導士) 監修/金岡恒治(早稲田大学スポーツ科学学術院教授・整形外科専門医・脊椎脊髄病医)