毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。

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普段の呼吸では「呼吸筋」を充分に使えていない

 毎日、息つく間もないほど忙しく働いていると、気が付かないうちに呼吸が浅くなっています。そんな時に深呼吸をするといいというのは皆さん、すでにご存知でしょう。「小林式 お風呂健康法」でも深い呼吸を大切にしています。お風呂健康法の最後のステップでは、メディカルな呼吸法を行います。

 まずは4秒間、鼻からゆっくり息を吸います。そして、8秒かけて口から息を吐き出します。これは自律神経を整えてくれる呼吸法です。しかし、実はそれ以外にも、入浴中に呼吸を意識する大きなメリットがあります。それは、呼吸筋が鍛えられるということです。

 呼吸筋というのは、肺をふくらませたり、縮めたりさせている、肺の周囲の筋肉のことです。肺という臓器は、自分でふくらんだり縮んだりすることはできません。そのため、肺の周囲にある筋肉が胸郭(肺が納められている、主に肋骨で構成された大きなカゴのような部分)を動かすことで、肺をふくらませたり、縮めたりしています。つまり、深い呼吸をするためには、呼吸筋がしっかり作用する必要があるということです。

 ところが、私たちがふだん行っている呼吸では、呼吸筋を充分に使えていません。息を吸うときはある程度使うものの、吐くときにはほとんど使っていないのです。

 試しに、今、普通に呼吸をしている自分の胸のあたりを意識してみてください。吸うときは、少し圧迫感のようなものがあると思います。しかし、吐くときはどうでしょう。何も感じないのではないでしょうか。

 それでは次に、お風呂健康法の最後のステップで行う呼吸法をしてみましょう。まずは4秒間、鼻からゆっくり息を吸います。肺が大きくふくらむ感覚がありますよね。そして、8秒かけて口から息を吐き出します。
 今度はどうですか? 普通の呼吸では感じなかった、肺がぎゅーっと縮む感覚があったのではないでしょうか。