絶食トレーニングと食べ物ありでのトレーニングの比較

 目標や好みによっては、トレーニング前に食事を摂らず、絶食状態でトレーニングすることも可能です。このこと自体は本質的に有害ではないと言われていますが、プロテインバーをテーブルの上に置き忘れる可能性がありますね。

 スポーツ医学などの分野の論文を発表している学術誌『スカンジナビアンジャーナル オブ メディスン&サイエンス イン スポーツ』に掲載された研究レビューでは、「トレーニング前にスナックや軽食を摂ることは、ジムでのパフォーマンスを向上させることができ、トレーニング前の栄養摂取が長時間の運動を強化させてくれる」と説明されています(*2)。

*2 参照:Effects of fasted vs fed-state exercise on performance and post-exercise metabolism: A systematic review and meta-analysis

 スポーツ栄養学の分野では、運動前の低炭水化物摂取が長期的にパフォーマンスをサポートするのか? それとも妨げるのか? についての議論が続けられていて、生理学および病態生理学の分野を研究している学術誌『ジャーナル オブ フィジオロジー』で発表された研究では、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。

 これに加えて、『スポーツメディスン』誌で発表された新しい研究結果では、運動時間に必要な量の炭水化物を摂取することによって、「運動に必要なエネルギーを補給すること」が持久的な運動には有益であることが示唆されています。こういったことは、持久力系トレーニングの中では大きなテーマであり、現状ではこの分野のさらなる研究が必要となります。

 ただし脂肪量を減らすために、絶食トレーニングをしているのであれば、必ずしもそれが脂肪減少の目標に役立つとは限らないことに注意することが必要です。

 重要なのは、1日の総エネルギーバランスです。国際スポーツ栄養学会が発表した研究では、「脂肪を減らす目的でトレーニングの前後に食事を摂るかどうかを決める場合は、好みで決めるべきだ」と結論づけています。

まとめ

 わたしの結論を述べると、人それぞれ異なるので、自分に合った方法で適切に行いましょう。試行錯誤を繰り返しながら、自分に合ったものを見つけていくことです。もしも疑問があるのであれば、資格を持ったスポーツ栄養士の助言を求めてみましょう。

Text by   Kate Neudecker and Hikaru Sato
Source / Men’s Health UK
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。

トレーニング効果を損ねる「食事のタイミング」とは?