せっかく高いお金を出して買うマンション。どうせ買うなら損するよりも儲かったほうがいいに決まっています。でもデベロッパーはなるべく高くマーケットの上限で売りたいのにそんな物件があるのでしょうか?それがあるのです。ある法則さえ押さえておけば狙い目マンションを見つけることは可能なのです。
土地は不動産だけに「不動」だが、実は「不動」ではない
マンションを建てる立地というのは、「不動」産なので一度建てると動かすことはできません。なので私はよく「内装なんかよりも立地にこだわれ」とアドバイスします。しかし、これは現在のその場所の環境だけを指して言っているのではありません。場所は動かなくても環境というのは変化するものだからです。この点はマンション選びをする時に盲点になりがちです。そして、分譲するデベロッパーも将来のいい変化を価格に反映できないケースがあるのです。そういうマンションを選べば経済的にゆとりのある人生を送れることになるのです。
マンションの立地には大きくわけて二つのケースがあります。すでに周りに人が住んでいる場所のケースと、周りにまだ殆ど人が住んでいないケースです。もちろん、人が住む建物なので、すでに周辺に多くの人が住んでいる立地に建てる場合が圧倒的です。こういう立地はマンションマーケットも確立され、周辺環境も安定しているようにみえるのでデベロッパー側も値段を付けるのがそう難しくないのです。「安く値付けをしてしまう」ことはそうそうありません。
狙い目は「未開の地」
いくらで売れるか分からなくて、恐る恐る「これなら間違いなく売れるだろう」と安く売る場合があります。それは「これから街作り」をするような大規模物件です。そもそもそういう立地は周りに人が住んでいないのでお客様の「基礎票」とも言うべき地縁のあるお客様がいないので、営業側としては怖いのです。販売計画を立てる際、これまでのデータから30%くらいは周辺にすんでいる人が購入するだろうと想定し計画をします。そして、のこり70%も今その周辺に住んでいなくても昔住んでいたというような何らかの「地縁が」あるお客様が多いのが分譲マンション事業というものなのです。
「未開の地」でこれから街作りをする物件というのはその地縁客がいない恐怖との戦いでもあるのです、こう物件は例外なく大規模物件なので、失敗すると完売までの道のりが永遠のような気持ちになるのです。
ただし、「未開の地」の大規模物件ならなんでもいいというわけでありません。郊外の「陸の孤島大規模マンション」はダメマンションの典型的な例です。郊外で駅からの距離が遠い「未開の地」は未開のままでいいのですが、土地があればやってしまうのがデベロッパーの性分です。「お父さんの通勤さえ我慢すれば」という物件に手を出すのは辞めておきましょう。
狙うはやはり利便性が高い都心の「未開の地」での大規模開発物件です。ここ数年の具体的事例だと港区の芝浦アイランド計画(芝浦アイランドケープタワー、2006年完成)、江東区豊洲のIHIの工場跡地を中心とした複合開発(ららぽーと豊洲同時に開発したパークシティ豊洲2008年完成)、勝どき地区の開発(THE TOKYO TOWERS、2008年完成)などは都心にもかかわらず、坪単価200万円前半で販売がスタートしました。それが今では坪200万円後半です。
また、川崎駅前の東芝事業所跡地の開発(ラゾーナ川崎レジデンス、2007年完成)や武蔵小杉駅周辺の再開発の当初の価格設定は都心ではありませんが駅前の再開発にしては割安感を売り物にした価格設定でした。これらの物件は不動産業界の人間が多く購入したことも業界では周知の事実です。