米銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)は先月、多額の損失を計上し、厳しい業績が今後も続きそうだと警告した際、大きな懸念材料を指摘した。それは、ニューヨーク市のアパート市場の不振に陥った一角を対象とした融資の不良債権化だ。NYCBは家賃安定型アパート向け融資では同市最大の貸し手であり、市内の家賃安定型アパートを担保とする融資は約180億ドル(約2兆7000億円)と、同社の融資残高全体の20%以上を占めている(家賃安定型アパートは、手頃な賃貸住宅を供給する目的でニューヨーク市が行っている家賃規制の対象)。この融資の多くは、開発業者が現在より柔軟に家賃安定型アパートをリフォームし、家賃を市場実勢まで引き上げたり、コンドミニアムに改造したりすることが可能だったときに実行された。
米地銀NYCBの経営問題、背景に厳格な家賃法
家賃規制対象になっている賃貸住宅の価格が下落、貸し手を圧迫
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