確定申告スタート!医療費控除で節税額を最大限にする2つのポイント対象となる医療費はあますことなく計上しよう(写真はイメージです)Photo:PIXTA

医療費控除では、医療費の領収書をどれだけ多く集められるかが節税のカギ。申告対象になる費用をしっかり把握するとともに、「家族の医療費」とはどの範囲まで含めて良いかも確認しておきたい。『医療費の裏ワザと落とし穴』の第275回では、より多くの還付金を取り戻すポイントを解説する。(フリーライター 早川幸子)

入院や手術、歯科治療……
1年間の医療費を洗い出そう

 令和5年分の確定申告の受け付けが始まった。

 所得税の確定申告は、1年間の課税所得と、それに対する納税額を確定させる手続きで、年収48万円を超える自営業者やフリーランスの人に申告の義務がある。だが、会社員や契約社員などの給与所得者も無縁ではない。

 所得税は、収入からさまざまな「控除」を差し引いた課税所得を基に決められる。控除が多いほど、課税所得は少なくなり、納める税金も少なくて済むという仕組みになっている。

 そのため、利用できる控除は残さずに申告することが節税のカギだ。給与所得者の場合、基礎控除、扶養控除、給与所得者控除などは、勤務先で処理してくれるが、自分で申告しないと利用できない控除もある。その代表が「医療費控除」だ。医療費が高額になったかどうかは、個別の事情で、勤務先では把握しきれないからだ。

 昨年1年間に入院や手術をしたり、高額な歯科治療をしたりして、医療費がたくさんかかった人は、医療費控除を利用できる可能性がある。今回は、より多くの還付金を手にするための2つのポイントを見ていこう。