中国企業の定義とは何か。この一見簡単そうな問いに答えるのは困難だと分かってきたことで、ウォール街の銀行家たちは頭を抱えている。中国と米国のそれぞれの監督当局が示す、互いに競合する要求の調整を、各銀行が強いられる場面が増えてきている。銀行家たちはこの不透明感の中で、企業の新規株式公開(IPO)にどの国の当局の承認が必要なのかを確信できずにいる。また、中国の監督当局が、海外市場でのIPOなどの差し止めにどの程度まで関与できるのかという点もあいまいだ。調査会社ディールロジックによると、過去10年間に中国企業は、米国内のIPOで770億ドル(約11兆6000億円)以上を調達した。しかし近年こうした取引が減少傾向にあるため、ウォール街の各社は新たな収入源を確保するため、中国以外の企業に目を向けざるを得なくなっている。
中国企業とは何か、悩む米銀のIPO担当者
ウォール街の銀行は多くの難問に答えを出す必要がある 中国企業を定義付けることはその中でも格別だ
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