台湾が実効支配する海域で
中国漁船が転覆し2人が死亡
中国が春節(旧正月)休暇に入っていた(2月10~17日)期間中、台湾海峡で突発的事件が起きた。2月14日、中国福建省アモイの沿岸に位置し、台湾が実効支配する金門島付近の海域で、中国の漁船が転覆し、乗っていた4人が海に投げ出される形となり、うち2人が死亡したのである。
台湾政府の中で中国との関係を担う大陸委員会は「中国の船が、台湾側の禁止水域に入って操業し、取り締まりを逃れようと蛇行するうちに転覆した。我々の法執行に協力するのを拒んで不幸な事件が起きたことに深い遺憾の意を表し、中国側が類似行為を取り締まるよう希望する」とコメントを発表。自らの対応に問題はなく、逆に中国漁民の行為、中国当局の取り締まりに問題があった点を指摘した。
これに対し、中国側で台湾との関係を担う国務院台湾事務弁公室は14日午後、亡くなった漁民とその家族に哀悼と慰問を表しつつ、「春節期間中にこのような両岸同胞の感情を著しく傷つける悪質な事件が発生したことに対して、台湾側に強烈な叱責を表明」し、台湾側に事件を巡る真相の早期の究明を求め、「両岸の漁民が台湾海峡の伝統的漁業区域で活動してきた歴史的事実を尊重し、対立側の漁民の生命と安全を確保し、今回のような事件が二度と発生しないよう求める」と呼びかけた。