お金の終活 シニアの資産運用&死に際のお金の管理#13Illustration by Yumiko Hoshino

ある程度の貯蓄があり、夫婦で豊かな老後を送りたいなら、計画的なライフシミュレーションが必要だ。特集『お金の終活 シニアの資産運用&死に際のお金の管理』(全13回)の最終回では、収入と支出でしっかり見るべき「三つのポイント」をまとめるとともに、90歳まで生きるのに「必要な本当の金額」について、生活費・介護費・葬儀費からズバリ逆算した。

「週刊ダイヤモンド」2023年3月25日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

90歳まで生きる想定で
逆算した老後シミュレーション

 子どもはいないし、老後はなるべくお金を使い切って、夫婦生活を楽しみたい。でも、介護など思わぬ事態にかかる費用が気になる。老後に備えて、幾ら残しておけばいいのだろうか。

 そんな不安を取り除く一つの方法として、老後のライフシミュレーションがある。

 今回、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏の協力の下、90歳まで生きる想定で、そこから逆算した老後シミュレーション表を作成。その中でも着目すべき「三つのチェックポイント」についてまとめた(次ページ表参照)。

 まず、日常の生活費用について、幾らかかるのか見てみよう。

 総務省によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における実収入の月平均額は23万6576円。そこから税金や社会保険料を引いた20万5911円が、自由に使えるお金(可処分所得)となる。

 一方で、消費支出の月平均額については、食料費、住居費、光熱・水道費などの生活に欠かせないもの、旅行代、その他交際費などを合わせると22万4436円。可処分所得から消費支出を引いたマイナス分の1万8525円が、毎月の生活費用の不足分だ。

 仮に65~90歳の25年間(300カ月)分、不足が続くとしたら、生活費用の赤字は累計で555万7500円に達する。

 だが、老後にかかる費用はそれだけではない。特に見落としがちなのが、介護費用だ。

 次ページでは、介護費用と葬儀費用も踏まえて、90歳まで生きるのに「本当に必要な金額」を大図解とともに明らかにする。