自分がやりたい遊びを投稿して、一緒に遊ぶ人を募集することができる「Playcast」。レジャーに特化したミートアップサービスだ

 コンサートに行きたい、サッカーを観戦したいなど、ライブやスポーツイベントに行く際、共に語り合える仲間がいると楽しみも倍増する。盛り上がった後、一杯飲みつつ話に花を咲かせる。至福の瞬間だ。

 趣味方面の同士を探したい場合、「友人に声をかける」「SNSやブログで呼びかける」「コミュニティに参加する」など、方法はいろいろある。だが、大半は面識のある友人や、そこからの人脈に限定されてしまうのが現実ではないだろうか。

 もっと広く同好の士とつながりたい。そんなニーズを実現するサービスが登場した。「Playcast」は、自分がやりたい趣味を投稿して、一緒に遊ぶ人を募集するマッチングサービスだ。

 使い方はきわめてシンプル。自分が行きたい場所、やってみたい趣味のプランを投稿する。参加者が集まれば、開催OK。後は非公開の「相談ルーム」で打ち合わせをしながら当日に臨むという流れだ。

 ユーザー登録にはFacebookアカウントが必要。気になるプランがあれば、主催者や他の参加希望者のFacebookプロフィールや投稿をチェックした上で判断ができる。いわゆる「出会い系」として悪用されるのを防ぐため、男女ともに2人以上の参加者が集まらないと、イベントを開催できない仕組みにもなっている。

 募集中のプランを見ると、好きなアーティストのライブ、美術展、DJイベント、分野限定のカラオケなど、コアな嗜好をベースにしたものばかりだ。同じ趣味を一緒に楽しめる同好の士を待っている。そんな空気が伝わってくる。

 このPlaycast、開発に当たったのは、20代の若き起業家。自身の切実な体験がアイディアの基盤になっている。

「あるイベントに非常に行きたくなったことがあり、友人を誘ったのですが、全員の予定が合いませんでした。一緒に行く人がいない。非常にウズウズした気持ちになったんです。そのとき、同じ気持ちの、趣味の合う仲間を探せるプラットフォームがあれば便利だと痛感しました」(Playcast運営事務局代表白川遼氏)

 ミートアップ系のウェブサービスは、小欄でも紹介した「CoffeeMeeting」や「ソーシャルランチ」を始め、数多く存在する。しかし、ビジネスや自己啓発をコンセプトに据えるものがほとんどで、趣味をベースにしたものは、存外に少ない現状があった。いわば“エアポケット状態”になっていた領域に目をつけ開拓されたのが、このPlaycastというわけだ。

 狙いは大いに当たり、2013年2月のリリース時には大きな反響があったという。

「リリース初日はアクセスが多すぎてサーバがダウンするほどでした。3日目で登録者が2000人を超過。これは数あるスタートアップ系のサービスでも最大級の記録だそうです」(同氏)

 現在も特段のプロモーションは行っていないものの、1日あたり100名前後の登録があり、右肩上がりにユーザーが増えている状態だ。

 潜在的なニーズはあったものの、ユーザビリティや運営方法が不十分で、これまで成功に至らなかった趣味系のミートアップサービス、Playcastの登場で、オフの楽しみが今まで以上に広がっていくかもしれない。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R)