パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【会社員必見】「本業80%:副業20%」で年収100万円増にトライするPhoto: Adobe Stock

まずは収入目的の
副業でOK

副業のメリットは金銭面に限りませんが、まずは「収入アップ」を目的にしても構わないと僕は思っています。

日本人の賃金がなかなか上がらない時代が続きましたし、いまだに年功序列型の賃金体系の日本企業では、収入を大きく伸ばすには、時間をかけて出世してポジションを上げる必要があります。

たとえスキルがあっても、管理職にならないと給料が増えにくい状況がありますから、副業で収入を増やすことを考えたほうが即効性があります。

ジョブ型とメンバーシップ型の雇用形態

実はこうした賃金体系は終身雇用を前提とした日本社会の古くからの慣習も影響しています。

職務に応じて給与を定める「ジョブ型雇用」が根づいている米国では、役職ではなくその人のスキルや知識、経験といった職能により給料が決まります。

日本も徐々に米国のような成果報酬型の賃金制度に変わる傾向も感じられますが、現時点では新卒一括採用に代表される「メンバーシップ型雇用」による終身雇用が前提の賃金制度が維持されている企業が少なくありません。

若い世代の副業は
自然な流れ

少子高齢化が加速する日本では、人口の多い上の世代が詰まっていて、若い世代に役職が回ってこない構造的障壁があるうえに、そもそも管理職になるのを嫌がる若者も増えています。

僕はX(旧・ツイッター)などのSNSで、よく人生相談を受けるのですが、特に地方の比較的安定した会社に勤める20代ほど、「給料を上げたいけれど、上のポジションが詰まっていて難しい」「管理職になるにはあと5年はかかりそうだ」「管理職になってもわずかな給料アップしか見込めないのに、責任はどんどん重くなる」というジレンマを抱えているようです。

こうなると収入を増やすために、できるならば副業をしようとするのは自然な流れだと思います。

グッと下がった
副業のハードル

副業で手軽に収入を増やせるのは、今を生きる人の特権ともいえます。さまざまなテクノロジーのおかげで、ひと昔前よりも、はるかに副業をしやすくなっているからです。

インターネットがなかった頃は、業務を請けるにはオフィスに出向くための距離や時間の制約がありました。

勤務先や自宅のそばに副業ができる場所があればいいのですが、そもそも副業ワーカーを募集しているか調べることさえ困難でした。

でも今は募集している会社をスマホ片手に自宅でも電車内でも見つけることができ、多くはリモートワークが可能です。