現代人が陶芸にハマるのはなぜか?
振り返れば、本格的な「てびねり」コースも手を動かしていた時間は30分ほど。これならタイパ志向の現代人でも気軽に挑戦できるだろう。
とはいえ、短時間でも実際に手を動かし、粘土の質感を指先で感じながら、一つの作業に没頭するのは、普段SNSやリモートワークなどバーチャルな世界で過ごすのに慣れてしまった我々にとっては新鮮な感覚。ちょっと大袈裟だけど、自分は生身の生き物なのだと再認識できた。これもある意味、非日常的な体験と言えるのではないだろうか。
また、完成した後どう使うか、贈った人は喜んでくれるか、あれこれ想像しながら形にするのは創作意欲が刺激される。
何よりいいのは、今日の思い出が形になって残ることだ。何年後、何十年後、ふと食器棚の片隅でそれを見つけた瞬間、タイムカプセルを開けたように思い出話に花が咲くだろう。一人でふらりと尋ねるのもいいが、できれば大切な人と一緒に体験してほしい。