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マイクロソフトやグーグルでエンジニアとして活躍し、複数の企業で技術顧問を務める及川卓也氏が最近はまっているという登山。登山にはプロジェクトや事業と似たところが多いと及川氏はいう。登山の魅力とビジネスにも参考になるというその類似点について、及川氏が語る。
自然の魅力にとりつかれて
続ける山頂へのチャレンジ
この連載でも何度か触れていますが、最近、私は登山にはまっています。きっかけは2017年、知人に誘われて富士山に登ったこと。同じ年に北アルプスの女王と呼ばれる燕(つばくろ)岳や富士山に次ぐ標高の北岳にも登りました。
翌年は同じ知人に誘われて富士山、さらには八ヶ岳の赤岳・横岳・硫黄岳を縦走するなど、難易度の高い山にもチャレンジしました。ただ知人のペースについていくのがやっとで、このままでは初心者の私は死ぬかもしれないと思い、その後は低山でのソロ登山を中心とした山登りに切り替えています。実はソロ登山は、2人以上での登山と比べて死亡リスクが3倍になるとのデータもあり、それはそれで危険があります。しかし独りになれる貴重な機会でもあるので、現在は娘や友人との登山とソロ登山を半々ぐらいの割合で続けています。
コロナ禍の間は体を壊したこともあって、2年ほど休んでいた登山を再開したのが2022年のこと。2023年は梅雨の時期を除いて、週1回から2回というハイペースで関東近郊の山を中心に登り、久しぶりの小屋泊と念願のテント泊デビューも果たしました。百名山にもいくつか登っています。
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登山の魅力とは何か。山頂からの絶景はもちろん、途中の樹林帯での森林浴、沢のせせらぎなど、とにかく自然の美しさが素晴らしいんです。山は必ずしもいつも天気がいいとは限りません。でも晴れていなくても雲海の広がりや、雲の切れ目からのぞく峰などの景色は、とてもきれいなものです。山小屋やテントに泊まった時、夜晴れていれば、とんでもない数の星を空に見ることができて、その美しさを改めて実感します。