ドラマ『ふてほど』を見てギョッ!令和の上司も「不適切にもほどがある!」ワケ写真:「不適切にもほどがある!」公式サイトより

話題のドラマ『不適切にもほどがある!』を見て、ある意味ゾッとしました。「令和の職場の人間関係で圧倒的に欠落していること」に気が付いたからです。そして、「このドラマはリーダーシップ研修の教材にしたほうがいい」とも思いました。(トライズ代表 三木雄信)

『不適切にもほどがある!』で考える
「令和の職場環境」における重大な欠落点

 主演・阿部サダヲ、脚本・宮藤官九郎のテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系・毎週金曜夜10時)が好評です。ドラマの概要は、「昭和おやじが令和にタイムスリップ!『不適切』発言が令和の停滞した空気をかき回す!」と番組紹介にある通り、主人公が昭和と令和を行き来することで感じるさまざまなギャップを題材としたコメディーです。

 昭和世代の私も毎週楽しく視聴していますが、経営者仲間の間でもチェックしている人が多くて話題になっています。それは、組織をまとめる立場として考えさせられる論点が幾つもドラマ内で取り上げられるからです。

 その1つに、「令和の職場環境」があります。ドラマの第1話では、ある職場で「先輩(秋津)からパワハラを受けた」と後輩(加賀ちゃん)が訴えたことから、関係者が居酒屋で「人事部の聞き取りに備えてシミュレーション」をするシーンがあります。

 あらすじやせりふは次の通りです。※以下ネタバレを含みます

鹿島(男性の上司) 本当に心当たりない?
秋津(アラサー男性社員) ないですよ。加賀ちゃんには僕、一目置いていたんですから。
田代(女性の上司) 彼女はパワハラ認定に向けて動いているの。「メンタルが限界です」って。
鹿島 1カ月休職するらしいよ

~「ハラスメント被害相談者聞き取り票」に「プレゼン直前にプレッシャーをかけられた」と書いてある資料を見ながら回想シーン~
秋津 いよいよだね。期待しているから頑張ってね。
加賀ちゃん(Z世代女性) はい。

秋津 えっ?応援するのもダメですか?
田代 それで心、折れちゃう子もいるからね。
鹿島 パワハラ認定。軽率でした、と。

 このやり取りを居酒屋の隣席で聞いていた主人公で昭和おやじの小川が、口を出し始めて議論になります。

小川 “頑張れ”って言われて会社休んじゃう部下が同情されてさ。“頑張れ”って言った彼(先輩)が責められるって何か間違ってないかい?だったら彼は何て言えばよかったの?
田代 何も言わなきゃよかったんです。何も言わずに見守って、うまくいったらプレッシャーを感じない程度に褒めてあげる。ミスしても決して責めない。寄り添って一緒に原因を考えてあげれば彼女(後輩)の心は折れなかった。
小川 気持ちわりっ!何だよ寄り添うって。そんなんだから時給上がんねーし景気悪いんじゃねーの?挙げ句の果てにロボットに仕事取られてさ。ロボットはミスしても心折れねーもんな。

 この後の展開は後述しますが、最近の職場では「あるある」話だからでしょう。放送後、SNSは感想で大盛り上がりでした。私も、「面白いドラマを見たな」と満足する一方で、ある意味ゾッとしました。「令和の職場の人間関係で圧倒的に欠落していること」に気が付いたからです。そして、「このドラマはリーダーシップ研修の教材にしたほうがいい」とも思いました。小川も疑問を投げかけていましたが、秋津は後輩にどう接すればよかったのでしょうか?