その日の最後にお風呂に入ったあとでビールを飲みつつ
「お風呂場の床の隅、ちょっとヌルヌルしてたよ」

 きっと妻は(口に出すかどうかはさておき)「そう思ったら、自分で掃除すればいいでしょ!」と思うでしょう。

 夫の側は、「妻がうっかり見落としている部分を教えてあげた」ぐらいの得意げな気持ちになりがち。しかし、仮にお風呂掃除は妻の担当だったとしても、妻が「教えてくれてありがとう」と感謝することは絶対にありません。

 かといって、担当である妻を差し置いて掃除を実施し、「やっておいたよ」と告げたら、それはそれでイヤミったらしい印象を与えそうです。

「お風呂の掃除は気が付いたほうがする」ぐらいのゆるいルールだった場合は、このセリフはなおさらタブー。何もせずに出てきておいてこう言うのは、あまりに大胆です。また、気が付いて掃除したからといって、そのことを妻にわざわざ報告する必要はないでしょう。

 いろいろ考えると、見なかったことにして黙っているか、気になるなら自分がさっさと掃除してしまうかのどちらか。誰かと一緒に暮らすって、何かと難しいですね。

→夫株を上げるひと言の例としては、「今度の日曜、1時間だけ掃除タイムにしようか。トイレとお風呂、どっちをやるかジャンケンしよう」など

マンションの管理組合に提出する書類を妻に頼まれて
「あとで書くよ」と言ったまま放置

 もちろん夫の側は、「あとで書く」という気持ちに嘘はありません。しかし「テレビが区切りになってから」とか「寝る前でいいかな」とか、自分で自分に言い訳し続けて、なかなか行動を起こせないのが常。手を付けたら5分で終わる簡単な仕事だとしても、いや簡単だからこそ、ズルズルとあと回しにしてしまいます。

 しかし、頼んだ妻の側は、夫の様子を見て、「まだ書かないのかな」「いつやるつもりなのかな」「本当にやってくれるのかな」と、ヤキモキしたり心配になったり……。だんだんイライラもしてくるでしょう。