年収が上がらない、モチベーションが上がらない──そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。

化粧品Photo: Adobe Stock

素人集団による
化粧品開発の秘話

 本書で化粧品開発の話をしたが、僕らのような素人集団がこれまでにないオーガニックのクレンジングクリームをつくろうというのだから本当に大変だった。

 いくつもの工場に連絡したが、あまりにロットが少なく相手にされなかった。

 大手メーカーが依頼している工場では「最低10万ロットから」と言われた。

 断られ続けて疲弊し、もう無理かと思ったとき、ある化粧品工場が「小ロットからやってみようか」と商品開発に協力してくれた。

 僕らはクレンジングクリームの成分にこだわり、今度こそ怒られるんじゃないかと思うくらい何度もテストを繰り返したが、化粧品工場の人たちは黙ってテストにつき合ってくれた。

 回数を重ねるうち、先方の研究員も、

「いいものをつくりたいという気持ちが伝わりました」
「ここまできて妥協したくないですよね。最高のものをつくりましょう」
 と言ってくれ、
「こんなにおいを見つけたんですけど、どう思いますか?」
 と17、18回目には自主的に成分を調整してくれた。

何回もごはんに

 20回目でついに思いどおりのクリームができたときは全員で感動した。

 その間、化粧品工場の社長や役員の方々と何回もごはんに行った。

「君たちの情熱にほれたわ」
「大手でもここまでこだわらないよ。商品に期待しているよ」
 と、社長や役員たちの心を動かした「オルナ オーガニック」のクレンジングクリームはその化粧品工場で一番売れる商品になった。

 今でも取引は続いているし、定期的に食事会を行っている。

一生頭が上がらない出来事

 実は、化粧品工場にはピンチを救ってもらったことがある。

 アマゾンのセールの際、ある商品を20%オフにするとアマゾン売上1位になったが、信じられないくらい売れ、もうすぐ在庫が切れることがわかった。

 僕と役員の西で化粧品工場の社長に会いに行って増産をお願いすると、多方面に調整を行い、在庫の仕入れから容器への充填まで昼夜問わず休日も使って増産してくれた。

 せっかくのチャンスを逃さないようにと、取引先が全社員一丸となって協力してくれたのだ。

 一生頭が上がらない出来事だった。

 仲間にとって重要なのは日々の積み重ねだろう。

 いかに真摯に接して感謝を伝え、定期的にコミュニケーションを取れるか。

 それがあったからこそ、ピンチのときに助けてもらえたのだと思う。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)