米議会では中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用を禁止するか、あるいは親会社に強制的な売却を迫る機運が再び高まっている。ただ、実現には現実的、法的、政治的なさまざまなハードルが立ちはだかる。中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が所有するTikTokの米国内での利用禁止を巡る議論は何年も続いている。それでもなお、禁止法案の採決を急ぐ議会下院の動きはTikTokにとって不意打ちとなったようだ。採決は13日に予定されている。TikTokはユーザーに対し、議員に抗議の意思を伝えるよう呼びかけていたが、共和・民主両党からの反発を招く結果となり、裏目に出たようだ。米国はこれまでにも多くの中国企業の締め付けに動いてきた。代表的な例は通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や半導体メーカーなどだ。中国向けには先端半導体の製造装置を輸出することはできず、ファーウェイなどの企業は米国の技術に基づく先端半導体の調達を制限されている。半導体サプライチェーン(供給網)の基幹部分は米国が独占しており、米政府が締め付けを強化すれば川下の企業への影響は大きい。
米のTikTok禁止、主張するのは簡単だが
米国は多くの中国企業の締め付けに動いてきたが、TikTokに関しては一筋縄ではいかない
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