「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。
考えを具体化するためには「ものさし」が必要
ここまで、言語化のキモは「具体化」にあるということ、【「ざっくり一言」→「なぜ?」→「たとえば?」】メソッドを使って考えを具体化していく方法を説明してきました。
しかし、いざこの通りに思考を深めたり広めたりしようとしても、「なぜ?」や「たとえば?」の先が思い浮かばない、何も考えつかないというケースもあると思います。
そんなときに、使ってほしいのが「思考のものさし」です。これはいわば、解を導く補助線のようなもの。これをあてはめて考えてみるだけで、思考がぱっとクリアになり解像度が高まります。
「ものさし」の種類は非常にたくさんありますが、特にビジネスで使い勝手がよく、万能なのが次の5つ。
何も思いつかない時の「思考のものさし」TOP5
❶ 「メリット・デメリットは?」
❷「ビフォー・アフターは?」
❸ 「類似点・相違点は?」
❹ 「誰におすすめ?」
❺ 「どうやって?」
「どんなふうにして?」
たとえば、❶の「メリット・デメリット」なら「なぜならメリットは……、デメリットは……」と、「なぜ?」の答えとしても使えますし、「たとえばメリットは……、デメリットは……」と「たとえば?」の答えとしても用いることができます。
何も思いつかない時は、まずはこの5つの「思考のものさし」に当てはめて、自分の考えを具体化していくことをおすすめします。
*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。