「“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「感情表現のコツ」を紹介します。
「伝えたい感情」が乗ってさえいればOK!
人は話をするとき、無意識のうちに、感情を込めています。そのときのことや場面を思い浮かべ、現場にいるような感覚で話しています。
ここに、「相手とわかり合いたい」「この時間を価値あるものにしたい」気持ち、つまり「相手に伝えたい」という思いが合わされば、ひとりでに感情が言葉に乗るのです。
ですからまずは、「伝えたいという思いを大切にすること」が大事。これがコツです。
無理に感情を込める必要はありません。自分の純粋な気持ちは必ず相手に伝わり、いいコミュニケーションが生まれます。
これが基本原則。極端なことを言ってしまえば、「伝えたい感情」が言葉に乗っていればそれでOKです!
感情次第で言葉の印象はガラリと変わる
実は同じ言葉でも、込められた感情次第で、印象はガラリと変わっているものです。
たとえば、次の場面を想像しながら、それぞれどんな言い方になるか、そして、どんな印象を持つかを想像してみてください。
・家族にコーヒーを淹れてもらった時の「ありがとう」
・大事なお財布を落とし、拾って届けてもらった時の「ありがとう」
・「こんな時は何て言うの?」と母親に言われた子どもの「ありがとう」
・すれ違いざまに肩が当たった時の「ごめんなさい」
・失敗をして多大な迷惑をかけてしまった友人への「ごめんなさい」
・自分は悪くないと思いながら、ふてくされて言う「ごめんなさい」
アナウンサーの新人研修や話し方講座でもこのワークを行います。二人一組になり、シーン別に感情を込めてどの場面か当て合うのです。「同じ言葉でも、そこに込められた感情によってこんなにも伝わり方が違うのか」と体感できます。
まずはぜひ、家族や気のおけない友人に対して練習してみてください。慣れてきたら、次第に職場や初対面の人へと広げていくといいでしょう。
(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)