元交通誘導員のボビー・ハインズさん(83)は米テキサス州ヒューストン南東部の質素な家に56年間住んでいる。最近は食料品の購入や膨れ上がる医療費の支払いにこれまで以上に苦労している。「何もかもが高くつく」とハインズさんは話す。「毎日が大変だ」社会保障給付でかろうじて生活費をまかない、節約のためにベーコンは少しずつ食べるようにし始めた。夫のアルフレッドさん(85)は肝臓がんで長年闘病生活を送っていたが、今月死去した。寝たきりだった夫は居間で酸素吸入を必要とした。ハインズさんは2年近く夫を介護した。低所得の住民に毎月500ドル(約7万6000円)を支給する試験プログラムのことを報道で知ったときは、詐欺ではないかと思ったという。だが、家族と相談した結果、プログラムに応募することを決めた。追加の現金が入れば生活は変わるとの期待を抱く。