航空宇宙のような複雑な業界では通常、コックピットで多くの時間を過ごしたリーダーが好まれる。しかし、米ボーイングのようにスキャンダルに見舞われた企業は例外かもしれない。ボーイングは25日、2020年から最高経営責任者(CEO)を務めるデービッド・カルフーン氏が年末に退任すると発表した。これは同社全体の組織改革の一環だ。取締役会のラリー・ケルナー会長は次回の株主総会で再選を目指さず、後任には米半導体大手クアルコムのスティーブ・モレンコフ前CEOが就き、次期CEO探しを指揮する。さらに、問題を抱えるボーイング民間航空機(BCA)部門のトップ、スタン・ディール氏も退任する。2018年と19年にボーイングの小型機「737MAX」の墜落事故が起きたことを受け、前任のケビン・マカリスター氏が解任されて以降、ディール氏が同部門を率いてきた。