世界で最大かつ最重要の金融市場が急拡大しており、市場関係者を不安にさせている。米国債は年間発行額が急激に増え、新型コロナウイルスの流行開始以降にほぼ倍増した。2023年の発行額は過去最高の23兆ドル(約3450兆円)だった。近いうちに発行ペースが鈍るとの声もほとんど聞かれない。11月の大統領選でジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領のどちらが勝っても政府支出は増え続ける、との見方が広まっているためだ。ハイテク株や住宅ローン担保証券(MBS)のように、市場が急拡大すると、ひどい結末を迎えることが過去にはあった。米国債は安全性と流動性が最も高い証券とされる。米国債市場が不安定化すれば、その影響が他の市場にも急速に広がると懸念する声は多い。
米国債市場、4100兆円規模に膨張 高まる懸念
積み上がる政府債務、買い手の変化や規制強化が課題に
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