ロシアの裁判所は26日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者(32)の勾留を3カ月間延長した。記者は昨年3月29日、米国人ジャーナリストとしては冷戦終了後初めてスパイ容疑でロシアに拘束されたが、米政府は不当拘束だと認定している。ゲルシコビッチ氏は昨年3月からモスクワのレフォルトボ刑務所に収監されており、今週29日で1年を迎える。同氏自身、WSJ、米政府は容疑を断固として否定している。モスクワ市裁判所はこの日の非公開審理で、裁判前勾留を6月30日まで延長するよう求めたロシア連邦保安庁(FSB)の要請を認めた。ゲルシコビッチ氏の勾留延長はこれで5回目。米国のリン・トレーシー駐ロシア大使は法廷の外で、同氏は粘り強さを保っているが、今週で拘束から1年がたつ点を踏まえると、勾留が続くのは「特につらい」と語った。その上で「エバンに対する告発は完全な間違いだ。状況を巡る解釈の違いではなく、作り話だ」と述べた。