米国のオフィス不動産市場は空室率の上昇やサブリース(転貸)契約のスペース供給過多、デフォルト(債務不履行)の増加などで苦境が続く。だが不思議なことに、オフィス賃料は高止まりしており、上昇するケースさえある。不動産調査会社コスター・グループによると、米国のオフィスの平均募集賃料は足元では1平方フィート当たり35.24ドル(約5340円)で、2019年10-12月期の34.92ドルを上回る。募集賃料の上昇は、商業用不動産市場の一見奇妙にも映る仕組みを反映している。賃料は融資の貸し手などが不動産の価値を判断する上で重要な指標となる。物件のオーナーは賃料の引き下げを回避するためにあらゆる手段を講じようとする。賃料が高くテナントが集まらず、空室のまま物件を放置することになるとしてもだ。
苦境の米オフィス不動産市場、なぜ賃料は高い?
賃料は物件の価値を決める重要な指標となるため、オーナーは値下げ回避のためにあらゆる手段を講じようとする
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