米アップルは長らく洗練されたデザインや使いやすさ、愛用者の多さなどで、テック業界の「クール」を代表する存在だった。中国の検索大手、百度(バイドゥ)はそれに比べて精彩を欠き、長年、成長路線から取り残されてきた。だが人工知能(AI)ブームがそれを変えるかもしれない。百度はアップルが中国国内で同社のチャットボット(自動会話プログラム)技術を利用することについて、予備的な協議に入っている。韓国サムスン電子とはすでに協力関係にある。さらにクラウドAI事業の収入が同社の売上高全体を押し上げつつある。かつて百度はアリババ、テンセントとともに「BAT」と称され、中国テック大手の一角を占めていたが、2010年代半ばから終盤にかけて業績の伸びと株価パフォーマンスの点で他の2社に後れを取った。